数カ国の統計を見比べて一概にデータ比較する事は、実はとても難しいのです。国によってカウントの定義が異なるからです。
「新規のCOVID-19感染者数」で比較はその国のPCR検査数によります。例えば、
フランスでは、3月のピーク時には、「病院に運ばれ、入院の必要がある重症な患者」のみにPCR検査をしていた期間があり、更に、「高齢者介護施設で、陽性者が1例出たら、その施設の肺炎患者は皆感染者」とカウントする時期がありました。テストを出来るだけ強化しようと言う方針に変更してからも、市中の診療所や在宅では、その地域のリソースによってもテスト数に差があります。
次にCovid-19死亡者数。ドイツでは、病院での死亡者数のみカウントされます。フランスも最初は病院での死亡者数のみでしたが、3月下旬以降、高齢者介護施設での死亡者数も統計に入れられます。しかし、在宅については、未だにカウントされていません。
一方、ベルギーでは、高齢者施設・在宅における高齢者の肺炎死亡もPCR検査なしに、カウントされているそうです。この為、ベルギーの人口当たりの死亡率は欧州で最も高い数値となっています。
日曜日・祝日のPCR検査体制やカウント体制は、平日よりもキャパシティが低下しますので、月曜日の数値が低く出るのは、フランスだけではありません。このように、1日単位で、新規患者数、死亡者数は、正確さにかける部分があります。
最終的には、昨年の同じ週での死亡者数に比較した2020年の死亡者の超過率(COVID以外も含まれます。)を、比較する事は意味がある結果が見えてくるでしょう。
4月30日発表のフランス公衆衛生局のデータによりますと、
3月1日〜4月28日の全死亡者数23686人、病院における死亡者数14810人
高齢者施設における死亡者数8876人。
全死亡者における65歳以上が占める割合 92%。
病院での死亡者 64ー74歳 17%
75歳以上 71%
以下は、役所で受理した死亡届を元に、死亡増加率を集計中。但し、これはまだ調整中。
役所で受理した死亡届件数の内、COVIDと死亡証明書に記載のあったもの8679
同 における65歳以上が占める割合 91%
同 年齢中央値 84歳
2019/2020年比較 死亡増加率(COVID以外も含む)
第12週 +17%
第13週 +36%
第14週 +62%
第15週 +51%
出典 Sante Publique France
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